長谷部クリニック

川西市栄根の皮膚科,形成外科,アレルギー科 長谷部クリニック

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最近のQ&A

8月2日(木)Q&A「子どもの日焼けについて」

【問い】小学校低学年の孫が外で遊んだ際に腕や顔に日焼けをし、翌日に発疹のような症状が出ました。痛みやかゆみなどがひどいわけではないのですが、このまま様子を見た方がよいでしょうか。もしくは治療をした方がよいでしょうか。(59歳・女性)

【答え】皮膚に影響を与える紫外線。波長の長いUV-Aは3~5割が表皮の下の真皮まで到達し、慢性的に浴び続けると、しわやたるみなどを引き起こします。波長の短いUV-Bは真皮まで到達しませんが、表皮に炎症を起こし、しみやそばかすなどの原因となります。
 日本人の6~7割は日焼け直後に少し赤くなり、数日後には肌が褐色になる傾向にあります。もし、日光を浴びた時間が10分程度なのに、皮膚が真っ赤になったり、やけどのような症状が出たりした場合は光線過敏症の疑いがあります。
 光線過敏症は紫外線アレルギーなどで、皮膚に生じる疾患の総称です。最も多いとされるのは2種類で、多形日光疹は、紫外線のアレルギー反応を起こし、赤いぶつぶつやかゆみが腕などに現れます。日光じんましんは日光が当たった部分がすぐに赤くなり、ひどい場合はみみず腫れになることもあります。
 光線過敏症はこのほかに、さまざまな疾患があり、疾患ごとにメカニズムや原因が違うため、自己判断せずに皮膚科で診察してもらうようにしましょう。
 光線過敏症による症状ではなく、日に焼けたことによるやけどの場合でも、冷却や水ぶくれの処理、薬を塗るなど、適切な処理をしないと、しみや傷痕が残る可能性があります。いずれにしても放置せず、病院で原因を調べましょう。
 基本的には、紫外線は肌に良くないため、できるだけ日に当たるのは避けていただきたいです。しかし、夏休みに入り、海や山など外で遊ぶ機会も増えると思います。帽子や長袖、海ならばラッシュガードの着用や、日焼け止めを2~3時間おきに塗り直すなどし、紫外線から肌を守りましょう。

(兵庫県医師会 長谷部信成 川西市 長谷部クリニック院長)

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11月23日(木)Q&A「老人のシミやホクロについて」

【問い】以前から顔や手などに、しみはありますが、ここ数年の間に太ももから足首にかけて、小さかったしみが約1センチ大になりました。色も焦げ茶色や淡い茶色までさまざまで数も増えました。加齢のせいでしょうか。それとも内臓のせいでしょうか。普段は長ズボンをはいています。(73歳・女性)

【答え】肌が茶褐色になるしみは、どこの皮膚にもできますが、日光のよく当たる顔や首筋などによくできます。内臓の異常で皮膚が黄だんすることはありますが、しみになることはありません。50代以降に多いですが、体質によっては若くてもできることもあります。日光性黒子、太田母斑様色素沈着、肝斑、炎症後色素沈着、雀斑などがあります。これらは良性で放置していても体に悪影響を及ぼすことはありません。顔など目立つところにできたり、大きくなったりした場合には、レーザー治療で取ることもできます。
日光に包まれる紫外線は細胞のDNAを傷付けます。紫外線からの防御反応で、表皮のメラノサイトという部分が茶褐色の色素を作るので、しみができるのです。高齢者のしみの約9割は良性ですが、中には皮膚がんになる悪性の場合もあります。細胞には、紫外線で傷付いたDNAを修復する機能があります。しかし、傷付くことが長年繰り返される間に、治し間違いで突然変異が起きて、がんになることがあるのです。
特にしみの境界がぼんやりとはっきりしていなかったり、ただれていたりしていると悪性の可能性があります。また、良性でも少しずつ大きくはなるのですが、月単位で大きくなっていると感じるようなケースでは注意が必要です。
悪性か良性かは細胞を採取して調べます。局所麻酔で0.5ミリ四方ほどしみの部分の細胞を取って調べます。悪性の多くは「日光角化症」という早期がんの一つです。この状態では転移せず、命に別状はありません。ただ放置すると10年以内に1割がより深い部分の真皮に入り込んだ「有棘細胞がん」になり、転移もします。悪性でないかは診療所でも調べられるので、お近くの皮膚科で相談してください。

(兵庫県医師会 長谷部信成 川西市 長谷部クリニック院長)

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8月3日(木)Q&A「とびひについて」

患部は触らず、皮膚を清潔に

【問い】6歳になる娘がいます。汗をかきやすい体質で、夏場になるとあせもが出ます。昨年は「とびひ」にもかかり、2歳下の弟にもうつってしまいました。日ごろから、どのようなことに注意しておくべきでしょうか。

【答え】虫刺されやあせも、小さなけがで生じた皮膚の傷に、細菌が入り込むことで発症するのが「とびひ」です。患部をかきむしった手を介し、あっという間に水ぶくれなどが広がる病気で、火事が飛び火する様子に似ていることからそう呼ばれています。
とびひには大きく分けて2種類あります。一つは水ぶくれができるタイプで、だんだんと膿を持ち、やがて破れると皮膚がめくれてただれてしまいます。目や鼻、口の周りからでき始めることが多く、そこから体のあちこちに広がります。7歳未満の幼児がかかりやすく、夏場は特に増加傾向にあります。
原因となるのは、主に「黄色ブドウ球菌」と呼ばれる細菌です。これは健康な人の皮膚や鼻の穴などに日常的に存在する「常在菌」の一種ですが、傷口などから皮膚に入り込むと増殖の際に毒素が増え、とびひを発症させます。
もう一つは、膿を持った水ぶくれができた後、厚いかさぶたになるタイプです。炎症が強く、リンパ節が腫れたり、のどの痛みや発熱を伴ったりすることもあります。こちらは「化膿レンサ球菌」という常在菌が原因で、全身にできる可能性があります。季節や年齢も関係ありません。
日常生活で、心掛けてほしいのは爪を短く切り、患部をかいたり、いじったりしないことです。皮膚を清潔に保つことも大切です。入浴時には湯船に浸かるより、シャワーの使用をお勧めします。患部はこすらず、泡立てたせっけんで丁寧に洗ってからシャワーで流しましょう。また、タオルや服を通じて他の人にうつることもあるので、共有するのは避けてください。

(兵庫県医師会 長谷部信成 川西市 長谷部クリニック院長)

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